行政監視委員会「原発事故と行政監視の在り方」小出、後藤、石橋、孫

2011年5月23日 歴史に残る参考人招致・質疑応答でした。

参議院・行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査
原発事故と行政監視システムの在り方に関する件) 

小出裕章さん(京都大学原子炉実験所)
後藤政志さん(元東芝、原子炉格納容器設計者)
石橋克彦さん(神戸大学地震学・原発震災)
孫正義さん(東日本ソーラーベルト構想・電田プロジェクト)

3時間23分・サイト「参議院インターネット審議中継」の正式動画
http://www.webtv.sangiin.go.jp/generator/meta_generator_wmv.php?sin=892&mode=LIBRARY&un=7c5cca3caa050ddfc4bcfa1bbfd41975&ch=n
( http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php )

以下、youtubeへの再アップロード(こっちの方が見やすい)

後半の議員との質疑応答は、一番下のリンク、全体アーカイブから見て下さい。後半に直接飛べます。

全体の大体の文字起こしです。
http://togetter.com/li/139147


小出裕章さん


ガンジーによる七つの社会的犯罪:①理念なき政治 ②労働なき富 ③良心なき快楽 ④品格なき学識 ⑤道徳(倫理)なき商売  ⑥人間性なき科学 ⑦献身なき信仰

採録http://civilesociety.jugem.jp/?eid=8633

参考資料・3月15日 東京を襲った「見えない雲」http://www.page.sannet.ne.jp/stopthemonju/home/11.3.25tokyomienaikumo.pdf

参考・(同日)子どもだけは守りたい 小出裕章 (国会院内集会)
http://www.ustream.tv/recorded/14907841 49分頃から


■後藤政志さん


■石橋克彦さん


孫正義さん

資料・http://minnade-ganbaro.jp/res/presentation/2011/0523_sangiin.pdf

■全体アーカイブ
http://www.youtube.com/watch?v=8WNFcNOkzIY#at=4115 (←クリックすると孫さんプレゼンの終了からはじまります)
http://www.youtube.com/watch?v=TxR7ZfDohow

USTREAMアーカイブ(上と同じもの・リンク切れの時に)
前半・http://www.ustream.tv/recorded/14906087
後半・http://www.ustream.tv/recorded/14907869

山本太郎が切々と訴える・オペレーションコドモタチ 高橋健太郎も

【オペレーションコドモタチ】山本 太郎 メッセージ02

原発デモに参加している彼の生の声を訊いて下さい。

高橋健太郎
削除→ http://www.youtube.com/watch?v=5vAX8aoqTFk
http://www.youtube.com/watch?v=bkJIyMA7ve0
子供たちに原子力放射能の知識を。これから長い長い時代が来る。

他にもズラッと並ぶ生の声
http://www.youtube.com/user/opkodomotachi1#g/u

「オペレーションコドモタチ」
http://www.soybeans.co.jp/op_kodomo/

放射能=「どうせガンで死ぬだけじゃん」の誤り

「最悪でも、どうせガンで死ぬだけじゃん」ということを言う人が時々います。それは勉強不足。想像力を欠いた発言です。

すぐに「死ぬ」か「生きる」かの議論になりますが、実際には、「死ぬ=生きるの間にある悲劇」が、低線量被曝による放射線障害の現実です。

原爆症湾岸戦争症候群原発労働者、これまでの原発事故などによる被爆・被曝などから、色々なことが判っています。科学的に証明されていなくても、人が経験して来たことから学び、警戒することが我々には可能です。

「ガンで死ぬだけ」と言う人には、こんな写真を見てほしい。
>広島の被爆者 中村さんの記録
> http://daysinternational.net/jp/feature/kikujiro/
>6畳ひと間の雨戸はいつも閉めたままで15ワットの裸電球がついたままだった。
>中村さんは、敷きっぱなしの継ぎ接ぎだらけの布団に被爆以来寝たきりの
>生活を続けていた。梅雨明けのある朝、雨戸を開けた中村さんは、夏陽の
>眩しさに立ちすくんだ。
>
>9回転院をし、開腹手術を2度受けたが症状は悪化するばかりだった。市の
>福祉課の担当に仮病扱いされ、精神病院に強制入院させられたこともあった。
>
>近所の開業医にできることは痛み止めの注射だけだった。放射能障害に
>対する医学的対処が皆無だったからだ。
>
>中村さんは突然発作に襲われ、頭が割れる、体がちぎれると叫びながら
>部屋中をはい回る。体を掻きむしって血だらけになり、激しい痙攣で
>全身が硬直して悶絶した。
>
>中村さんの内股には数十の傷跡が残されていた。病苦や貧困に耐え
>切れなくなった時、その苦しみから逃げるために、カミソリで切り
>裂いた傷跡だった。「キチガイだと言われるから、その傷を写すの
>だけはやめてくれ」と懇願されたが、その傷跡も写した。広島。1950年

アメリカ女性兵【放射能=ガンだけじゃない】10年後の日本でも?ぶらぶら病
http://d.hatena.ne.jp/genpatsu_mov/20110429
http://www.youtube.com/watch?v=oX9oPFsNybE


放射線により被曝した場合、どのようなことが起こるか。簡単に考えて見ましょう。

■初期症状
薬で治らない下痢、下血、鼻血、原因不明のアザがしょっちゅうできる。免疫機能が以前より明らかに落ちている、など。

不安になったら、放射能症のことが判る医療機関で相談してください。


放射線の障害
放射線はあらゆる癌を発生させる
放射線起因の癌は自然発生よりも悪性度が高い。
・症状が出る前に重要な潜伏期がある。
白血病やガン以上に、白内障の増加が顕著である。

放射線起因の疑いがあるものに
不妊
・老化の促進(筋肉、関節、神経脈管、心臓血管、支持結合組織への影響)(BEIR III, 1980, P505 and 502)
・ 生殖機能異常
・ 先天性異常
・ 先天性奇形

などもあげられます。

低線量内部被曝の場合、「活性酸素が原因の健康被害」の症状を完全に含み、それより広いと言いうるのではないかと、調べた範囲では個人的には思っています。(そのことにより、ペトカウ作用の状況証拠は揃うのではないかと)

ペトカウ作用に関してはこちら
内部被曝とは★資料★ 随時更新
http://d.hatena.ne.jp/genpatsu_mov/22001229


■恐れすぎない
様々なケースがあります。

1・物凄く低線量の被曝で死亡に至った
2・かなり被曝をしても無症状だった
3・死亡免れたが生涯、痛さや脱力感(ぶらぶら病)などで悩んだ
4・症状でたが自然治癒してそのままずっと健康体だった

これで「○○(地名)は壊滅だ」と結論しないで下さい。避難が必要な放射線量の中でも健康に生きる人がいることも、歴史は証明しています。

恐れすぎない。かといって安心されすぎても困ります。


■何が問題?

例えば、ぶらぶら病はとても苦しい症状です。

・立てない、力が出ない、寢ていることしかできないという日があるかと思えば、今日はイスに座れる、今日は外出できる。ハタから見ていると都合の良いことを言って怠けている人に見えたりするようなケース。

・夫婦生活の時だけにいきなり顕れ始めるようなケース。

お金がない、結婚できない、自殺……。ちょっと考えただけでも、放射能による病気・ぶらぶら病一つでもさまざまな悲劇があり、様々な家庭を複雑に苦しめ、崩壊させて行くことが想像できるでしょう。そしてそれは、既に日本に限らず、世界のヒバクシャが経験して来たことなのです。

ぶらぶら病になったら、毎日するような仕事ができなくなるでしょう。でも場合によっては、急に完治したりする。ところが働き始めて数年で役職をもらったようなところでまた再発し、会社を辞めざるを得ないようなこともあり得るでしょう。

甲状腺ガンにしても、子供が亡くなったような場合、その家庭にどんな陰を落すことになるのか、少し想像すれば判るでしょう。

「どうせガンで死ぬ」という言葉が想像させるのとは違う現実を一人一人が経験していく。一人一人が、様々で複雑な状況に陥り、家庭が壊れたり、それまで計画していた人生を、ある意味では完全に失ったりします。

もちろん、ガンにかかるだけでもそのような状況になることは、多くの人・家庭が経験して来たでしょう。

しかし比較はできませんが、放射線による障害は、グレーゾーンが広かったり、症状が多岐に亙るため、非常に複雑な悲劇を生み出して来たのです。


■治る→再発を繰り返したり、長期間後に出たりすることがある

放射線起因の病気は、一度、治ったと思ってから、また再発することがあるのも特徴です。以前と同じ症状だったり、以前より遥かに重い症状として再発したり。ガンであれば、不自然な多重的なガンだったり。

20年症状がでなかったからと言って、翌年に症状が始まる、ようなこともあるようです。つまり、「○年症状が出なかったからOK」という基準が今のところはないようなのです。むしろ、びっくりするくらい時間が経ってから症状が出る場合がある。


■それでも生きる人生

それでもそれぞれの人生があり、楽しい日もあれば、満足する日もある。そういう人たちを「かわいそう」だけで見ることは理解にはつながらないでしょう。そうした人たちが活き活きと人生を送るためには、周囲の理解と、互いに情報交換し、励まし・助け合うネットワーク作りが必要です。

原爆症の人が開かれたネットワーク作りに参加できなかった要因の一つに差別の問題もあります。今後、我々は同じ過ちを繰り返してしまうのでしょうか?

被曝は、なるべくしない方が良いでしょう。しかし、被曝し、何年か経って症状が出てしまったら、今度は、それとしっかり向き合い、絶望することなく、人生を少しでも有意義なものへとするような個人的メンタル・状況・社会を我々みんなで作り上げていく必要があると、私は思います。

今回の収束していない原発事故で、今後何年間かけて、このようなことが起こっていくのを、私はあまりに先回りしすぎて議論しているのでしょうか?

こういうことを伝えても、「実際に、自分が、自分の友人が、そのような状況にならない限り、自分はそのことが判らないし、多分、多くの人がそれを判らない」と、友人にたしなめられました。

そういう人も多いでしょう。しかし、言葉が届く人もきっといるはず。

これまで経験して来たことの積み重ね、「生の声」が人類には沢山遺されています。それを今から学ぶことで、誰かが以前と同じ症状になったとしても、以前と同じ孤独な苦しみを「原発症」の人に与えないように、我々みんなで準備していくことはきっとできます。

【お笑いでも】シティーボーイズ原発コントほか

シティーボーイズ原発コント 前半

後半
http://www.youtube.com/watch?v=IP5UPTVaXa0

後半、突然、村?になって、そして、つ、鶴が!笑

シティーボーイズ大竹まこと、きたろう、斉木しげる)と、いとうせいこう中村有志が5年前に放った原発ネタ。もはや現実のものになってしまいました。
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ただちに問題はない枝野官房長官の会見

誰が作ったんですか? 明らかにプロですね。良くできています。
気に入ったら↓も。

福島原発事故保安院のテレフォンショッキング【東電メンバー】
http://www.youtube.com/watch?v=sDAidKQR1TA

■英語版■大失言!【原発儲かる】原子力安全委員長【最後は金】班目

班目氏の2005年ころの本音発言の英語版動画ができました。

■英語版は、アメリカの低線量放射線汚染地帯の映像も収録されています。

ある街の1マイルの範囲の中で、ある家は、奥さんがガンで亡くなり、夫が鬪病中だったり、その隣は奇形児を産んだあとに子供を殺して自分も自殺した奥さんがいた家があったところだったり、その隣の家は……狭い範囲の場所で不自然なことが色々と起こり、みんな亡くなったり、引っ越したりして誰もいなくなってしまった。これはハンフォード核処理施設 (この場所で長崎の原爆が作られました) の近くの街です。原発ではないのですが、低線量の放射能汚染の悲惨さが理解できるものです。ご覧になってみてください。

■日本では、母乳から放射性ヨウ素が出たりして、関東のお母さんがものすごく心配している中、福島県の小学校では20ミリシーベルト/年の許容量が決定してしまいました。すぐに撤回されるかと思いきや、そのままずるずると通学が続いています。

チェルノブイリの時にさんざん批判された旧ソ連は、0.5mSv/年を超える場合「放射線管理強化」、1mSv/年を超えると「移住権利」が発生し自分で引っ越すか選択でき、5mSv/年を超える場合「移住義務」でした。子供に対して20mSv/年を許容するというのは、研究者によっては、子供の25人に1人が亡くなると試算する人もいるくらいの高濃度の汚染です。

原爆症の裁判であり得ないようないい加減で不利な発言をしたりなど、多くの人から怨まれていた小佐古敏荘氏ですら泣いて内閣官房参与を辞任したのがこの20mSv/年の数字が高すぎると言っていた、そんな値です。

■動画の中、ロールテロップの英文はこうなっています。

1・In April 2011, in Fukushima where the Nuclear power plant accidents happened,
the standards limitations for radioactivity exposure had suddenly raised from 1mSv/year up to 20mSv/year,even for the children.

2011年4月、日本では、原発事故を起こした福島県の幼稚園や学校において
子供たちの屋外活動を制限する放射線量が「年間20ミリシーベルト」と
決められた。

2・Japanese government said the standards were decided by the NCI of Japan.But NSC of Japan denied those limitations by saying "This commission doesn't accept those standards".

日本政府は、これを決めたのは、原子力安全委員会だと言った。しかし、原子力安全委員会は、「その数字は認めていない」と言った。

3・Now Japanese children spend usual school life, playing baseball in their school yard, but they are surely exposed extremely high radioactivity.

いま、日本の子供が、とても高い放射線の校庭で、野球をして、放射性物質を吸い込んでいる。

4・Who on earth can improve current terrible situations?

いったい誰がこの事態を止められるだろう?

■20mSv/年は、いったんは誰が決めたか良く判らなくなった。だから、撤回されるかと見えました。

ところが、その後、調整が行われたのか原子力安全委員会は20mSv/年を認めている発言を繰り返しています。班目氏の発言が記事になっています。

「小佐古氏が何に憤慨しているか分からない」班目原子力安全委員長
産経新聞 5月2日(月)23時1分配信
 福島第1原発の事故を受け、文部科学省が定めた校庭の利用基準「年間被曝(ひばく)線量20ミリシーベルト以下」をめぐって与党内からも見直し論が出る中、政府の原子力安全委員会(班目春樹委員長)は2日、定例会議を開いたが、同問題はまったく議題とならなかった。また、政府の対応を批判した小佐古敏荘(こさこ・としそう)東大大学院教授の内閣官房参与辞任について、班目委員長は会議終了後、「新聞報道しか知らないが、正直に言って小佐古氏が何に憤慨しているのかわからない」と述べた。

原子力安全委、文科省を批判 「基準値のみの判断」は安易 (2011/05/02 22:22) 福島民放
班目委員長は、放射性物質低減の具体策について、文科省から助言要請があれば応じる意向を示した。一方、毎時3・8マイクロシーベルト、年間換算20ミリシーベルトの基準値自体については、なるべく低く抑えることを条件に、妥当との見解を繰り返した。

これは詭弁です。なるべく低く抑えること条件に子供の許容量を1mSv/年の基準を妥当とするのが、国際的な基準です。「なるべく低く抑えることを条件に」と言えば、100ミリでも1000ミリでも良くなってしまいます。

低線量放射線は、潜伏期間が長く、障害がでるまでにとても時間がかかるのです。そして放射線が原因でガンなどが見つかった場合、リセットされることは決してありません。一生、いつガンやその他の症状が出るか警戒しながら生きることになります。

今ならまだ間に合う子どもたちが大勢いる可能性が高いです。


■動画ラストの英語テロップ

Say NO to nuclear power plants
Protect your home from radioactivity pollution
Don't be deceived by what they say

原子力発電にNOを言おう
放射能汚染から自分の家を守ろう
甘い言葉にごまかされるな

          • -

この動画は、映画「六ヶ所村ラプソディー」と「HIBAKUSHA ヒバクシャ」のDVD販促目的の非公式予告編です。

総てが間違っている。だから、総てが正しい。

今回は、ブツブツとつぶやきます。興味なかったら、どうか「するっ」と無視して、次回、もっとマシな情報をお届けするので、その時はまた宜しくお願いします。


小出裕章さんが昔言いました。「日本人の大人は放射能汚染された野菜を食べる義務があると思う」。
例えば、チェルノブイリ原発事故の時、日本はヨーロッパ産の食品の輸入に対して、放射能汚染の基準値を下げたらしいですね。

そんな時、小出裕章さんは、自分は以前からヨーロッパ産のチーズを食べていたから、同じように食べた。ただし、子供には食べさせなかった。或いは、生協に「ウチでは放射能汚染の食品は販売しません」のような張り紙があったのにかみついて、ウチの子には、放射能入りの食べ物を食べさせる、と言ったとも伝え訊きます。(実際に子供に食べさせたかは不明です。善意のつもりの生協に食いついたことが重要だと思われました。)

理由は一つ。日本が食べなかった食品は、結局は、貧しい国の人が食べる。しかし、世界の中でも原発依存の高い日本こそ、チェルノブイリで汚染された食品を積極的に食べる義務がある、と。

小出裕章さんらしい、筋の通った立派な考えだと思います。

そもそも、私が野菜の汚染を心配している間にも、福島第一原発では、作業員が被曝をしながら作業を続けています。彼らのことを考えれば、汚染された野菜をえり好みしている場合なのか、とも。


■しかし食べない親も正しいのではないか
しかし一方で、汚染された食べ物を避ける親も間違っているかと言われると、言い切れません。何故なら、低線量放射線内部被曝が原因で、ぶらぶら病にでもなって、仕事ができなくなり、家族を養えなくなる、家族に負担をかける身になったらどうするのか。

「だから防護するのだ」と言う人が間違っているとは、私にはどうしても思えません。

原発事故は、正解のない禅問答を突きつけて来るようです。いつも戸惑い、ハッキリと言葉を結べません。


■自分がアップロードした動画
私は、多くの人に見てもらうために、例えば、班目春樹氏の動画を紹介しました。
http://d.hatena.ne.jp/genpatsu_mov/20110424

特に強調しませんでしたが、実は、私が最も伝えたかったのは、班目氏の最後の発言、放射性廃棄物の処分地の問題で、立ち退かない人に例えば10倍お金を出せば、結局は住民は納得するんだと、班目氏が言っている部分です。

つまり、「原発や処分候補地のみなさん、10倍のお金を出されても、どうか納得しない冷静さを持って下さい」と、そんなことを伝えたいわけです。

そんな願いを籠めて動画をアップしたのでした。そのためにも、前半はなるべく話題になるように面白おかしく編集しているわけです。

それに関して、友人から批判されました。「これは、2005年の発言であり、あとだしジャンケンということもそうであるが、何より、当時の自分たちの気分を考えれば、自分たちこそが班目春樹氏だった」と。つまり、自分たちが当時の班目春樹氏と同様の立場にいたにも拘わらず、その自己批判をスルーして安全な場所から班目氏を批判する態度がとてもイヤだったと。

私の倫理観からすると、それは尤もな意見でもあり、もし自分が見る立場だったら、似たようなことを考えるかも知れません。

しかし、見る人が批判してくれた友人のような人ばかりだったら私も安心(?)してもう少し違う動画をアップロードできるのですが、結果として、当動画は、アップロードから1週間で6000アクセスを越えて、ウナギ登りにアクセスが増えています。私がyoutubeにアップロードした中で、最も急激にアクセスがのびている動画です。

私は、アクセスして貰うために、イロイロな細かいことに目をつぶりました。


■配慮のないテロップ
もう一つの動画、アメリカの湾岸戦争症候群の帰還兵を紹介した動画でのテロップも配慮がないと自分でも思いつつ、仕上げたものです。少なくとも日本被団協の人には見せたくない。
http://d.hatena.ne.jp/genpatsu_mov/20110429

もし、見た人が、湾岸戦争症候群や広島・長崎の被爆者を家族に持っていたり、あるいは自分がそうだったりした場合、これを見て「なんと知ったようなことを言う、イヤな動画だろう」と感じるかも知れません。

例えば、被爆者たちは、常に病気の発症を恐れながら暮らして来て、今も苦しんでいるとします。それは事実だ。しかし、どんな状況でも、そういう苦しい側面もありつつ、同時に人生を楽しんでいる側面もきっとあるはずで、人を理解するというのは、暗い・苦しい一面だけを取り上げるのではなく、総合的に捉えてこそなんだという気がします。

肥田舜太郎さんを追っている友人に金子サトシさんというドキュメンタリー映画作家がいますが、そこを彼は判っている。だからこそ、彼の作品は何かをハッキリと伝える体裁にならず、アピールに欠けているように見られがちです。

金子サトシさんの方法に触れると、被爆者の辛い面だけをアピールしている動画は、プロパガンダ以外の何物でもなく、それを効果的にすればするほど、実態、というか、被写体一人一人の持つリアルなメンタリティから離れていくのではないか、とも思います。


■回答のないこと。そこで立ち止まる。
多分、私は、批判してくれた友人より、ずっと他人(見る人)を信頼していないのでしょう。

私は、映像には、深く細密に理解する瞬間が訪れることを知っています。作り手や発信者と時空を越えてつながってしまう瞬間がある。その快楽というか、「自分の中に何かが起こった」その瞬間を迎えたいために作品を見ますし、作品を作ります。

けれど一方で、少々の細かいことは置いておき、グワッと、大勢と何かを共有する、そんなことも必要な時があるのではないか。そうも思うのです。

例えば、日本とアメリカでぶらぶら病と共通する症状に苦しむ人がいる。たったそれだけをシンプルに伝えたい。細かいニュアンスはすっ飛ばしてもいいから、まずはできるだけ多くの人とそれを共有したい。そして、その背後に、無数の具体的な人がいて、泣いたり、笑ったり、苦しんだり、楽しんだりしながら生きている。そういうのは、興味を持った人があとから知れば良いと、そんな風に割り切ったところが私にはあります。

そして、私の動画を批判した友人にしても、私を批判するのは簡単なはずです。では、彼はその違和感を他人にどう伝え、どう行動するのか。そこには無限の選択肢があり、正解のない禅問答があるばかりかも知れません。

何かの行動をするには、立場を選択する必要がほぼ生じます。立場を曖昧にしたまま伝える方法もなくはないですが、立場を明確にせずに、他人に何かを上手く伝えることは難しいです。

そこを原発問題は私たちに突きつけて来ます。どのような立場を取るのか、どのような立場をも全く取らないのか。そこで私は立ち止まります。だって他にどうすれば。


肥田舜太郎さんのパワー
私が原発問題のカリスマだと思っているのは、肥田舜太郎さんです。
http://d.hatena.ne.jp/genpatsu_mov/22001210

彼には、細かいことはいい、ともかくこれを訊いてくれ、という迫力がある。
そして、訊いていると説得されてしまう確かさがある。
http://www.youtube.com/watch?v=3p73GY19ZrY
(私がアップロードした動画ではありません。)

肥田舜太郎医師は、人を何かの立場に連れて行こうとはしない。自分のしていることへの確信があるからなのでしょうか、全く揺らがず、全く動じず、何年もいつも、同じ体験の話を繰り返し繰り返し、その時その時で熱くなって、訊いている人を巻き込み、影響して来ました。

私は、立ち止まっている場合ではない。その時、その時で、5分前と矛盾する二枚舌を使っても、どんな方法を使っても、原発、というか、放射能健康被害に関し、未だ知られていないと思われることを伝えたい。

そして、こんな弁証法的な言葉で遊んでいる間にも、もんじゅは事故から復旧して再稼働を検討しはじめるかも知れませんし、中国電力は田ノ浦を埋め立ててしまうかも知れません。

プロパガンダにはどこかにウソが入ります。その代わり、物事を単純に伝えられる。

自己批判するヒマがあったら、まずは一致団結して田ノ浦の自然を守る。正しい考えを持つより、何かを成す実効的な行動が必要なことがあり、その為には、自分のコダワリを棄てる必要な局面もあるのではないか。

きっと私はまたプロパガンダの動画を作るでしょう。それとは全く違うスタンスから肥田舜太郎さんの動画の続きを作るでしょう。自分が作っている動画への戸惑いと違和感の中で。

こんな長文に付き合って戴きありがとうございます。最後に私が作った、殆どのみなさんに興味がなさそうなダンス映像にもリンクを張っておきます。
http://www.youtube.com/watch?v=i_lmAG-O-w4
http://www.youtube.com/watch?v=eoNTmyAcgFA
http://www.youtube.com/watch?v=8PsPNnElhx8
http://www.youtube.com/watch?v=UrHBJE1_am8
http://www.youtube.com/watch?v=vjXNKlOJNjg
http://www.youtube.com/watch?v=W2FImk7wXWc
http://www.youtube.com/watch?v=B3XNsf68Cmc

放射能=ガンじゃない!10年後、日本でも??アメリカ兵のぶらぶら病

私がこのブログを立ち上げた、主な目的の一つは、放射能の障害はガンだけではないことを知ってしまったため、どうしてもこれを広く報せなければならないと感じたからです。

この動画をどうか、なるべく多くの人に教えて下さい。「ぶらぶら病」は、別の病気と認定されてしまい、誤った治療をされる危険性があります。不幸にもこの症状に悩む人が現れる前に、1人でも多くの人がこの病気を知って欲しい。どう思いますか?

広島・長崎の原爆症の一つ、ぶらぶら病と同じ症状に悩むアメリカ帰還兵メリッサの訴え

http://www.youtube.com/watch?v=oX9oPFsNybE

この帰還兵が訴える倦怠感は広島・長崎の被爆者を苦しめてきた「ぶらぶら病」と言って良いでしょう。

■今後、日本でこの病気が問題になるかも知れない
福島第一原発事故を受け、今後、日本でも1〜2年後とか10年後などに、こうした症状を訴える人が徐々に現れて来る可能性があります。(数は多くないはずですので、恐れすぎないよう。)

こうした病気の知識は、予め知っておき、ネットワーク作りや、心の準備をしておいた方が良いでしょう。医療関係者も「ぶらぶら病」という言葉を、どうぞ頭の片隅に入れておいて下さい。

■広島・長崎の被爆者とアメリカ帰還兵が同じ症状=放射能が原因か?
このメリッサの場合、幸い「ぶらぶら病」としては症状が軽いようですが、しかし、このようにアメリカ兵と広島・長崎の被爆者で、同じような謎の症状に悩む人が大勢いるそうです。

この帰還兵の原因不明の症状、これは湾岸戦争症候群と呼ばれ、劣化ウラン弾放射能が原因とされています。何故なら、広島・長崎の「入市被爆者」のように「ピカ」にあっていないのに、あとから原因不明の病気に悩まされる「ぶらぶら病」の患者の主訴と驚くほど似通っているため、「低線量放射線の障害」が原因と考えることが自然だからです。
(原因不明で慢性的な著しい倦怠感が特徴)

※事故のショックでのPTSDであるとする説や慢性疲労症候群と同じだとする説など、放射能起因ではないとする説もあります。いずれにしろ、みんなで治療法を探り患者さんが楽になることを望みます。

■じわじわと顕れる症状
イラク兵、米兵は、劣化ウラン弾の危険を知らされずに戦いました。帰還して1〜2年すると、原因不明の倦怠感に襲われます。資料が少ないのでハッキリしませんが、兵士の個人差により症状は色々あるのではないかと予想されます。

また、イラクでは、湾岸戦争から数年経った時から今日まで、子供たちや一般市民に放射能が原因としか考えられない白血病その他が多発しています。

こうした米兵やイラクの人々の健康被害を米国政府は隠蔽しているようなのです。

■広島・長崎のぶらぶら病の辛さ(リンク)
ぶらぶら病に関しては、
肥田舜太郎】低線量被曝とぶらぶら病4【1ミリシーベルトでも危険】
http://www.youtube.com/watch?v=G5qq4CJxBRc
をぜひご覧下さい。

肥田舜太郎医師は、自身も被爆し、被爆者を何万人も診療して来た94歳のお医者さまです。

                • -

■本動画は、映画「ヒバクシャ」非公式予告編です。

■兵士というもの
気丈なメリッサの、心の底にしまった悲しみをご覧下さい。
1995年あたりにたくさんの帰還兵達が自殺をしたということです。
なぜなら、病名が判らないから。医者にも判らない。つまり治療ができない。でも痛い、ものすごく痛い。
痛みを止めるためにドラッグをやり、最後はドラッグ中毒になる。するとすごく鬱になって絶望して自殺してしまうと。メリッサの友人も自殺してしまった。彼女も自殺をしてし­まったそうですが、病院に運ばれて助かる。両親も病院に駆けつけたけれど、「恥知らずめっ!」「お前の医療費なんか払わないわ!」と、勘当されてしまう。

もちろん、湾岸戦争で米兵はイラクの人々を傷つけ、殺傷しました。
いくら国策だとは言っても、実際に戦っているのは兵士です。それは事実。

でも、放射線は、国境も人種も敵も味方もなく、イラクの一般人もアメリカの兵士も無関係に侵していきます。

そして、核を取り巻く問題で、各国の政府がそれぞれの政策の中で、国民や兵士を見殺しにしているケースがとても多いように感じます。

何のための戦争か。本当にこの犠牲や献身は必要なことだったのか。
原発問題と離れるようですが、原発問題にはそういう問題も含んでいるような気が致します。

■『もうひとつの核なき世界』堤未果著 (小学館・2010年)より

劣化ウランによる体内被曝は湾岸戦争から九年経って、現地で放射性の粉塵を吸い込んだアメリカ、カナダ、イギリスの湾岸戦争帰還兵の腎臓や肝臓、肺などから見つかっている。コソボの土壌サンプルからは、五ミクロン以下の放射性粒子がミリグラムあたり数百個発見された。
 湾岸戦争は、大気中に最低でも三百五十トンの劣下ウラン粉塵を放出した。その結果〈湾岸戦争症候群〉という複雑で進行性のある多器官系疾病を引き起こしている。症状としては、通常の生活に支障をきたすほどの疲労や筋肉骨格関節痛、頭痛、精神神経疾患、情緒変化、錯乱、視覚の問題、歩行異変、記憶喪失、リンパ節症、呼吸器官機能障害、性的不全、尿路形態機能変質などである。
 これらの症状の病因についての現在の理解は全く不十分だ。二〇〇二年以降にカブール、スピンガル、ジャララバード、トラボラなどの地域でも調査を行ったが、住民には〈湾岸戦争症候群〉と同じ症状が出ていた」

                        • -

映画『ヒバクシャ』の監督・鎌仲ひとみさんの講演からコピーしておきます。
http://blogs.yahoo.co.jp/ecodaruma/20150021.html
痛い!でも病名がわからない。そしてドラッグで自殺。
>放射能というのは目に見えないけれども使うほうも、使われるほうも被曝するということが
>見えてきたんです。この現実をはっきりと描きたいと思いました。それはつまり、加害者も
>被害者も無いんだということです。アメリカはイラクをやっつけたくて劣化ウラン弾を使った
>かもしれない。しかし、その戦争に従軍した米兵もひどい目に遭っているんです。60万人の
>米兵が湾岸戦争に従軍して270人が戦場で死んでほとんどの米兵が帰ってきました。しかし
>帰還兵の20万人が湾岸戦争症候群になって1万人以上がすでに死んでいるんです。湾岸戦争
>症候群とはつまり被曝者です。劣化ウラン弾は今回のイラク戦争でも使いました。湾岸戦争
>症候群になる従軍兵の数はさらに増えるでしょう。
>
>この湾岸戦争症候群のことはこの間発売された『ヒバクシャ』のDVDにも入っています。
>DVDにはアメリカの帰還兵のインタビューがおまけとして入っています。彼女はメリッサ
>さんといいます。彼女は湾岸戦争に行ってやはり湾岸戦争症候群になってしまいました。
>彼女の話では1995年あたりにたくさんの帰還兵達が自殺をしたということです。なぜか
>というとまず彼らの病名がわからない。お医者さんもわからないんです。わからないから
>治療ができない、治療してもらえないんです。でも痛い、ものすごく痛いんです。でも病名が
>わからないと薬は出せません。それで痛みを止めるためにドラッグをやるんです。それで
>ドラッグ中毒になってしまう。そうするとすごく鬱なって絶望して自殺してしまうんです。
>彼女の友人達も自殺してしまいました。彼女も自殺をするんですが、助けられて病院に
>運ばれて助かるんです。両親も病院に駆けつけるんですが、まず父親が「恥知らずめっ!」
>と、母親も「お前の医療費なんか払わないわ!」と、それで勘当されてしまうんです。
>彼女は戦場で足を折ったので、傷痍軍人として補償をもらっているんですけれども、
>補償をもらうためには「劣化ウラン弾のことを言うな」といわれているんだそうです。
>アメリカは加害者のつもりだったのですが、自国の軍人にも被害者が出てきている
>ということです。