★内部被曝とは★資料★ 随時更新

※順次更新します。低線量放射線による内部被曝は、これだけ情報が出てきてもあまり知られていない項目です。外部被曝に対して内部被曝の危険度は10倍などと言われていますが、もっとずっと危険度が高く、内部被曝を研究して来た人は、10億倍以上とする人も多いです。
(2011 4/26 表を追加し、「どのような病気が考えられるか」「チェルノブイリ事故の影響による日本人の乳ガン死亡率上昇」を足しました)


急いで知りたい方のために、キーワードを提示しておきます。「ペトカウ作用」「フリーラジカル(遊離基)」「間接効果」「バイスタンダー効果」「ぶらぶら病」などです。

要は、内部被曝の場合、放射線が直接に細胞に働きかけてDNAを壊すという経路の他に、放射線により水分子が活性酸素になり、細胞の生命活動を奪ってDNAを壊すなど、さまざまな経路があるようです。あるていど高線量になって来た放射線の場合、その作用を打ち消しあったりすることでその効果が少なくなる場合もありますが、低線量放射線の場合、低線量ほど様々な経路からの作用が足し算で加算されて人間の身体に影響を与えるため、取り込んだ放射線の量の小ささに較べて、影響がすごく大きく深刻だったりするようです。

『隠される原子力小出裕章著より

表は、様々な学説による、低線量放射線の危険度の考え方です。「ホルムシス」派などは、線量によっては、「むしろ健康」とすら唱えています。

ペトカウ作用では電離による間接効果を問題としていて、被曝と応答(害)の関係は、表の「バイノミナル効果」のような線の傾きになります。良く「凸型のグラフになる」と書いてあるのはこのような意味です。

ペトカウ作用自体は、仮説ではなく、実験で証明されています。ホルムシス派ですら、ペトカウ作用を視野に入れて、低線量の放射線は、様々な経路から細胞を破壊することを認めています。(稲博士で有名な低線量率放射線療法などでさえも)
http://en.wikipedia.org/wiki/Petkau_effect

また、理由は医学的・科学的には完全には証明できていないようですが、放射線を浴びてから30年経ってから晩発性放射線症状(ガンなど)に悩まされたり、多重ガンと言って、ガンの転移だけとは考えられない、あちこちのガンが発症したりすることが、広島・長崎の原爆症の経験から知られています。

ペトカウ作用、晩発性放射線症状に関しては、科学的根拠を完全に否定する根拠はないとし、大阪地裁、大阪高裁も認め、被爆者が原爆症認定されています。(※註)

※註・
最高裁判所事務総局広報課が運営している「裁判所ウェブサイト」にある
「平成20年5月30日判決言渡 平成18年(行コ)第58号 原爆症認定申請却下処分取消等請求控訴事件」
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080827134408.pdf
P310-313 P47-50 原告主張と併せて、被告主張も読み、原告主張が認められたことを御確認ください。原告主張に対してのほぼ総ての反論は被告主張としてこの判決文に出尽くしており、両者を充分に検討した結果、地裁・高裁で原告主張が認められたことをご理解下さい。


矢ケ崎克馬さん
http://d.hatena.ne.jp/genpatsu_mov/20110405

肥田舜太郎さん
http://d.hatena.ne.jp/naibuhibaku/

【動画】【健康と化学】放射能内部被曝による染色体異常
http://www.youtube.com/watch?v=DUcdfF6cJ2M
2分の動画です。初心者向けで、誰にでも問題点が少し判りますし
染色体写真があるのでイメージしやすいです。
プルトニウムが躰にずっと残って被曝させ続けている点の指摘が
ありますが、それと共に、内部被曝の場合、放射線が細胞に直接、
働きかける以外の経路で様々にDNAは壊されることにも注意して下さい。


■ペトカウ作用(ペトカウ効果)(書きかけ)
ペトカウ作用は、液体中の細胞は、放射線が水分子をフリーラジカルにより活性酸素に変えてしまい、それが細胞膜を破壊するという経路があることを証明しました。これと、放射線が直接、DNAを破壊する経路の合算により、身体はダメージを受けるのです。

現に、放射線による様々な症状は、活性酸素による症状を総て含む感じがあります。(老化促進や白内障など、本当に様々)

両者ともDNAを破壊するので似ていて当然かもしれません。しかし、ペトカウ作用自体は証明済みで、人間の内部で実際に活性酸素が増加して悪さをしていることを証明できていないだけで、両者の症状を見くらべると低線量放射線内部被曝により、活性酸素が人間の身体の中で大量に発生していると考えると妥当だと思えて来ないでしょうか?

→この点の考察はまた追加で考えてみます


放射性物質による内部被曝は適正に評価されなければならない
岐阜環境医学研究所松井英介
http://www.jca.apc.org/~earth/hukushima3.htm

4/21 【放射性物質】2011/4/21 胎児 乳児にあたえる影響(松井英介)
http://www.youtube.com/watch?v=SfGQLExiwjw
http://www.youtube.com/watch?v=HcBqEsPsREc


内部被曝について
http://www.ne.jp/asahi/kibono/sumika/kibo/note/naibuhibaku/naibuhibaku1.htm


■どんな病気が考えられるか?
科学的に実証されていないものが殆どですが、人類はこれまで、何度も被曝を経験し、そのデータから、以下のような病気と関係あると言われています。

・ 「ぶらぶら病」のような、まだ認定されていない病気(弱い人で慢性的な脱力感)
・ 原因不明の長期間の下痢(極端になりやすい、も、含む)
・ 鼻や目からの原因不明の出血や下血


○直接被害
以下の順序で被曝の影響がでやすい。
防護の有無、気候と地理的条件、被曝時間によって変わるが、個人差も大きいとされています。

                    • -

放射線の衝撃』(w.ボードマン著 肥田舜太郎訳)より
a)リンパ細胞
b)生殖腺
c)骨髄増殖細胞
d)腸上皮細胞
e)表皮細胞
f)肝細胞
g)漿膜細胞
h)中枢神経系、或いは、グリア細胞
i)骨細胞
j)筋肉および関節細胞(Merck's Manual, 1987)
k)CNS神経細胞

                  • -

○合併症
放射線の衝撃』(w.ボードマン著 肥田舜太郎訳)より

放射線被曝に関係があると公に確認されている疾病は
放射線の衝撃』(w.ボードマン著 肥田舜太郎訳)より
a)白内障、特に水晶嚢白内障と、眼の変化を伴うもの
b)白血病、多発性骨髄腫
c)甲状腺癌、胸腺癌、骨癌、肺癌、胃癌
d)小頭症と胎児被曝後の精神薄弱症

胎内被曝をした胎児は特に癌、白血病に侵され易く、
妊娠1〜3カ月の被曝は7〜9カ月よりも危険である(Stewart, A.M. 1986)。

確認はされていないが、関係が疑わしいとされている合併症は
a)非悪性腫瘍、繊維腫、甲状腺機能低下症
b)真性多血球血症
c)再生不良性貧血と骨髄繊維症
d)早産
e)食道腫瘍、唾液腺、尿路系、膵臓、直腸、腎臓、膀胱の腫瘍
f)悪性リンパ腫

すべての癌についての放射線の起因性が認められた。(ただし、慢性リンパ性白血病、ホジキン氏病、子宮頚管癌を除く)(Hoffman and Radford 1985)

スリーマイル島原発事故で確信されたこと
放射線はあらゆる癌を発生させる
放射線起因の癌は自然発生よりも悪性度が高い
・症状が出る前に重要な潜伏期がある。
・乳幼児は青年期や中年のグループよりもはるかに危険である。高齢者は癌年齢である。

放射線起因の疑いがあるものに
不妊
・老化の促進(筋肉、関節、神経脈管、心臓血管、支持結合組織への影響)(BEIR III, 1980, P505 and 502)

                              • -

他に、以下のような症状があるとも言われています。
・ リンパ腫
・ 固形腫瘍または臓器
・ 骨障害、血液障害
・ 乳ガン
・ 内分泌腺異常
・ 生殖機能異常
・ 先天性異常
・ 先天性奇形
・ 腎臓障害、肝臓障害

余りにも多岐に渡りますが、非定型性症候群と呼ばれ、被曝した人によって、決まった形ではない病状が確認できます。

こう書くと、否定論者は、「おいおい、今までの病気に当てはまらないものは全部放射能のせいなのかよ?」と。しかし、そうとしか考えられないのです。

ここの記事を読んだだけで、とてもそんなことは信じられないと思います。が、例えば、日本被団協などの団体では、広島・長崎の直爆を逃れた人が、あとになって、様々な原爆症で悩んでいる生の声やデータを沢山持っています。

被爆者の科学的研究は、日本では熱心に行う環境がなかったため(むしろ圧力をかけて止められる。戦後直後は原爆データ独占の目的で占領軍によって禁止、その後は原発推進の日本政府によって禁止)、実証的理論は少ないものの、状況証拠とも言うべき、生き証人や、既に亡くなってしまった方々の様々な証言が多数あります。

それらをいくつか読むだけで、きっとみなさんは、私の言っていることがウソでないことを確信するのではないかと思っています。

また、以下を引用しておきます。

『新版 原発を考える50話』西尾漠著 (2006年・岩波ジュニア新書)
> いつ発病するかと心配がつづくことこそ、放射線被曝に特有のおそろしさです。そして病気は、
>必ずしもがんに限られません。消化器や呼吸器などのさまざまな病気が事故後に増えているとの
>報告があります。

以下のサイトに良くまとまっています。
http://plaza.rakuten.co.jp/kojimatakayoshi/?func=diary&act=view&d_date=2011-04-02&d_seq=0000&targetdate=201103


■症状が出るタイミング
放射線の影響は、「急性」「晩発性」の2種類があります。
※ここは、後日、追記します。


チェルノブイリ事故の影響による日本人の乳ガン死亡率上昇
表は、チェルノブイリの事故の10年後に、東北で、乳ガン死亡率のピークがあることを示しています。

内部被曝の脅威』肥田舜太郎・鎌仲ひとみ 共著より


表は東北だけですが、東京や山口など、南に行くほど弱いですが、日本全土でほぼこのピークの傾向がみられます。

チェルノブイリと言えば、日本とウクライナは地球の裏ほども離れています。それほど微量な放射性物質のフォールアウトでも、確実に人の健康を害していることが状況証拠により判ります。

東京・新宿区で、2011年4月の半ばくらいで、福島原発からのフォールアウトの積算量(単位面積当たり)は、チェルノブイリ事故により東京に降り積もった積算量の7倍(単位面積当たり)とも言われています。

また上のグラフではピークは10年後にあり、一度下がっていますが、広島・長崎の被爆者は、10年どころではなく、65年経った今なお、生涯、苦しんでいる方がおられます。


アメリカでもぶらぶら病!?
http://d.hatena.ne.jp/genpatsu_mov/20110429
こちらの記事をご覧下さい。



以上、ネガティヴな意見のようですが、そうではなく、毎年のガン検診を欠かさないようにするなど、防護をしながら生きていく方が大きな悲劇を回避できる可能性が高いため、書かせて戴きます。