もんじゅの問題点

もんじゅは、福井県にある高速増殖炉で、余ってしまったプルトニウムを発電に
利用するための原子力発電所を開発するために作った実験的な施設(原型炉)です。
その後、実証炉というものを作ったあと、実用化され、大きな原子炉を
作る予定になっているようです。

■「もんじゅ」と人の叡知 (小出 裕章:京都大学原子炉実験所)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Monju/souzou.htm


■(参考)もんじゅを「安全」とする意見を敢えて掲載します。

ナトリウム冷却高速増殖炉の安全性・信頼性(小笠原英雄 所属:日立 原子力事業部)
http://www.enup2.jp/newpage40.html

「月刊エネルギーVol.38,No.3(2006)に掲載されたもの」だそうです。
ある種の説得力はありますので、宜しければ、ご自分でお読み下さい。

>軽水炉発電と比べて安全性で遜色ないものです。

>配管の損傷が急速に拡大することは考-えられません

私のような素人が、専門家の小笠原氏に較べて、何を識ってるんだ、と言われそう
ですが、2006年の小笠原氏より私の方が詳しいことが一つあります。
それは、軽水炉原発は、ちっとも安全ではなく、極めて危険であることが
福島第一原発事故により、完全に証明されたことを識っていることです。
今や、日本に暮らす全員が2006年の小笠原氏よりその点に関しては、詳しく
なってしまったでしょう。

津波対策、地震対策、今後、ありとあらゆる方法を講じたところで、
想定外の事故というのは起こり得ること。事故が起こる確率は、
決してゼロパーセントにならないこと。

論理的な小笠原氏の文章も、事故がゼロパーセントとは保障してくれていません。

そして、ゼロパーセントにならない、想定外の事故が、万が一にも起こった
場合、もんじゅのような施設は極めて復旧が困難でなすすべがなくなるだろうと
いうことです。

地球全体が窒素ガスに満たされない限り、ナトリウムを冷却剤に使う
高速増殖炉というのは「極めて危険な軽水炉」に較べて、さらに上を
いく、超危険な施設ではないかということです。

余談ですが、小笠原英雄氏は、こんなこともやられていらっしゃいます。
http://id48.fm-p.jp/84/sizennews/index.php?module=viewbk&action=ppg&stid=10&bkid=1019388&bkrow=0&pw=&bkpw=


もんじゅの冷却剤はナトリウム

高速増殖炉は実用化できない 動かない、動かせない もんじゅ
小林圭二著

以下は、この書籍から学んだことの一部を、私なりに要約します。
私の要約ですから、間違っている箇所があったとしたら、小林氏の責任ではなく
私の責任です。

もんじゅは、試運転中に冷却剤漏れ事故を起こし、14年半、停止していました。
また、2010年5月に試運転が再開、900回もの警報が鳴ったあと、8月26日に
炉心燃料交換の時に事故が起こり、燃料交換のための装置の一部を原子炉内で
落下させてしまいました。大事故の一歩手前でした。そして、落下部は
いまも取り出せていません。

もんじゅは、他の原子炉と違い、水を冷却剤に使えず、ナトリウムを冷却剤と
して使用します。ナトリウム冷却剤の特徴は、

1・水に触れると爆発→苛性ソーダと水素が発生
2・空気に触れると燃えて火災となる
3・コンクリートに触れると破片が飛び散るような破壊
4・冷却している間に放射性ナトリウムに変化する
5・不透明なので、中の状態が見えない→落下した燃料交換のための装置の一部が取り出せていないのは、まさに不透明だからです
6・配管を厚くできない(熱しやすく冷めやすいため、急激な温度変化=熱衝撃に、
厚い金属の配管が耐えられない)
つまり、地震、その他で、破裂・断裂しやすく、重機で何かを運んでいる
際に少しぶつけただけで損傷の可能性が高い配管です。

超簡単に書くと、プルトニウムに高速で中性子をぶつけて、余剰中性子を使い、
ウラン238を原子炉内でプルトニウムに変化させることで増殖させるという、
宇宙のかなたにでも作ってくれれば、大変、科学的な興味をそそられる
施設です。

しかし、もし、福島第一原発のような規模の大事故(配管が壊れ、窒素ガスで
炉心を取り囲む建屋も崩壊、など)が起こった場合、なすすべもなく、
プルトニウム炉心溶融を放置するしかないのではないかと思われるような
恐ろしい施設です。

こんな恐ろしい施設が日本(福井県)にはあって、運転再開を待っているという事実を、
識ってしまった者の責任として、みなさんにも共有して戴きたいと考えました。

もんじゅナトリウム漏れ事故の映像〜16時ビデオの2

この時の建屋内は、窒素ガスで満たされていると思われます。

http://homepage2.nifty.com/291/index.html
もんじゅ西村裁判
1995年12月8日に発生したもんじゅのナトリウム漏洩火災事故において、事故現場の様子を撮影したビデオの一部を隠したことが発覚した。管理者である動燃と科学技術庁の信用は失墜し、情報隠蔽体質がマスコミで大きく取り上げられ、高速増殖炉による核燃料サイクルを推進してきた動燃は存亡の機を迎えていた。
1996年1月13日午前6時10分、当時ビデオ隠しの特命内部調査員に任命されマスコミの矢面に立たされていた動燃総務部次長の西村の自殺死体(警察発表)が発見された。この自殺によりマスコミの追求は一気に終息し、動燃とその関係者は事件を収拾させることができた。
西村の遺族は、西村の死が他殺によるものとして警察に告発した。しかし、十分な捜査もされずに、自殺として処理され、事件は隠蔽されてしまった。また、死亡の経緯に掛かる資料のほとんどが遺族から隠されてしまったために、遺族自ら他殺を証明する手段もなくなってしまった。