■被爆医師・肥田舜太郎さん

被爆医師・肥田舜太郎さんという方がいます。

この方のまとめは、こちらのブログで行います。
http://d.hatena.ne.jp/naibuhibaku/

原発関連として重要な点として以下の2点を問題提起しておきます。

・低線量放射線、特に内部被曝による健康被害としては、ガンや白血病、遺伝の問題以外にも、様々な奇病が見られます。その代表例が「ぶらぶら病」です。

・肥田先生はペトカウ作用を提唱しています。ペトカウ作用とはなんでしょうか? ザッと書くと、高線量の放射線をどんどん減らしていくと、影響を受ける細胞の破壊も減少していきます。ところが、1972年に、ペトカウが、液体中の細胞に低線量の放射線を誤って与えたところ、液体外にある細胞に較べ、著しく破壊が進むことを発見しました。また、この作用は、ゼロから段々に放射線量を増大させた時に、影響のカーブは急角度の右肩あがりとなり、ある線量を越えると増大の仕方のカーブがむしろなだらかになることを突き止めました。これは、フリーラジカル・遊離基と言って、放射線が水分子に働きかけて活性酸素を創り出し、この活性酸素が細胞膜を壊し、DNAの崩壊へと至るということのようです。ある線量を越えると、活性酸素が互いに打ち消し合うからということのようです。
つまり、放射線が直接、細胞に影響を与える割合は、正比例というのがほぼ定説となりましたが、ある一定以下の低線量に関しては、正比例というより、凸型の急激な細胞破壊が進むようです。

このあたりの事情を図表を交えて、上記肥田舜太郎さんのブログと動画で紹介する予定です。

肥田舜太郎】低線量被曝とぶらぶら病4【1ミリシーベルトでも危険】

〜Vol.4 作品より〜
ぶらぶら病という病気なんだ。これは、医者がつけた名前じゃなしに、患者の家族がつけた。見たところなんでもない。「父ちゃん、畑行って働いてよ」。「じゃあ子供連れて畑­行くか」って行って、これ(鍬で耕す)やったらね、30分と持たないのね。「俺ぁもうとってもかったるくて起きてられない。先に帰るからな」って言って、ウチに帰っちゃう­。で、帰ると、座敷でゴロッて横になって寢ちゃってるんだね。毎日、そういうことが続くから、家族や、田舎の本家の旦那とかが、「あいつは広島に行って怠け者になって帰っ­たんだ」と。医者に見せろって、医者に見せても、検査なんぼやっても、病気らしい兆候がなんもないだね。本人がかったるくて動けないっていうだけなんだ。だから、いつの間­にかナマケ病=ぶらぶら病で。ナマケ病っていうと具合が悪いからぶらぶらしてるからぶらぶら病。これは、広島・長崎を中心にたちまち広がって。ぼくのところにも聴こえて来­るんですね。患者が来ると、やっぱりそうなんだ。

ぼくなんか、一番ビックリしたのは、ダルいっていうのは、自分も経験があるから、その程度のダルさっていうのは分かるよね。ところが、初めて来た患者が、受付では、被爆者­って言わないんだ。被爆者、差別されてますから、黙ってて、ぼくの前に来るとだね、私に、「広島から来た肥田先生ですか?」って訊くんですね。「そうだ」って、言うと、安­心してね。「私も広島から来た被爆者です」って、初めて言うんですよ。「どうして来たの?」っていうと、「かったるくて動けないんです」って。で、まあ、どんな風に被爆し­たとか、どこで被爆したとか話しを訊いてるうちに、この男がね、「先生ごめんなさい」って言って、向こう側で、私の机の上でこういう格好(肘をつく)するんです。失礼です­よね、普通は。「えー?」と思ってたら、そのうち、床へね、椅子から降りて、あぐらかくんだ、下へ。「先生ごめんなさい。椅子に座ってられません」。そのうちね、床へね、­横になってこうなっちゃう(肘をついて)。「こういう形でしか、私は起きてられないんです」。「そんなにダルいの?」と。「そうなんです」。それで初めてぼくはね、ぶらぶ­ら病の患者のダルさのね程度っていうのが分かったわけ。初めてこれはただごとじゃないって、思いました。

肥田舜太郎さんと共著のある鎌仲ひとみ監督が「東京も汚染地域」
http://www.cinematoday.jp/page/N0031748
微量放射能による被害は10年後にやってくる

アメリカでもぶらぶら病!?
http://d.hatena.ne.jp/genpatsu_mov/20110429

■気になる人のブログなど

順次更新して行きます。

■amanakuni.net
http://amanakuni.net/index.html
日々のトピックが満載。あまりに厖大なので、すぐに過去ログに。(笑)
過去ログもページ下のリンクからたどれます。

■岩上安身のUSTREAM
http://www.ustream.tv/channel/iwakamiyasumi
東京電力の記者会見を全部見られます。
時間かかりますが、新聞では判らない、色々な細かいニュアンスが判ります。(誤魔化しているとか、言い訳している、ジャーナリストに危機感が拡がっている、など)

岩上安身のHP
http://iwakamiyasumi.com/
動画のアーカイブの一部はこちらで見られるようです

■ジャーナリスト 木下黄太のブログ
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927
ニュースが早いしこの問題に関して網羅的です。

孫正義さんツイッター http://twitter.com/#!/masason
目が離せません。金銭的などのような圧力・懐柔・妨害が関係ない
人なので、信念のまま進んでくれます。
こちらに動画なども置いておきます。
http://d.hatena.ne.jp/genpatsu_mov/20110407

■き坊の近況 2011年4月
http://www.ne.jp/asahi/kibono/sumika/kibo/kinkyo1104.htm
引用、図表などのあとに、赤字でブログ主の意見を書く、
ていねいなブログ。4月以外は、上記ページ内から辿って下さい。

き坊さんの別のページ「内部被曝」について
http://www.ne.jp/asahi/kibono/sumika/kibo/note/naibuhibaku/naibuhibaku1.htm
もとても良く書けています。

福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きる
http://music.geocities.yahoo.co.jp/gl/akiyasu_f
指揮者の方ですが、ガイガーカウンタを買って、あちこちで計測し、東京都内はもちろん、静岡県でも線量があがっていることを警告してくれています。また、RO逆浸透膜浄水器購入など、個人ができることとしては徹底的に防護しています。

山下俊一氏が辞任

山下氏が辞任します
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110610k0000m040072000c.html
>委員の山下俊一長崎大教授の辞任が報告された。山下教授は福島県の職に
>就くことが決まり、中立的な立場を取ることが難しくなるためという。


山下俊一トンデモ発言

山下俊一氏講演(5月3日・二本松市)【後半/質疑】

山下俊一氏講演会(4月17日・伊達市)【後半・質疑応答】

放射線なんて心配なし? 「放射線と私たちの健康との関係」 講演

2011年3月21日14時  山下俊一氏・高村昇氏「放射線と私たちの健康との関係」講演会
質疑応答



友人から転送されてきました。

> 東京の杉原浩司です。          [転送・転載歓迎/重複失礼]
>
> 6月15日(水)午後、東京の青山ダイヤモンドホールで開かれた山下俊一
> (長崎大学教授・福島県放射線健康リスク管理アドバイザー)の講演会に
> 行ってきました。
>
>  http://www.nashim.org/jp/symposium/index2.html
>
> 行ったといっても、私が会場に着いたのは終了時刻前の午後3時50分。
> 受付で資料をもらうと、「どうぞ」と促されたのでホールの中へ。山下教授
> に対する最後の質疑が行われていました。
>
> 海外メディアや大使館関係者が主な対象とのことでしたが、国内メディア
> の記者もかなり参加していました。150人くらいはいたように思います。
>
> 終了後、持っていた「福島の子どもたちを守るための緊急署名」用紙を帰
> りの参加者の一部に配りました。その後会場に入ると、例によって山下教
> 授との名刺交換タイムとなり、列が出来ていました。そこで私も、携帯で何
> 枚か写真を撮った後、意を決して列の後ろに。
>
> 以下は、山下教授(と脇にいた長崎大学広報戦略本部 副本部長の深尾
> 典男教授)と私の問答の概要です。録音したわけではなく、やり取り後の
> メモに基づくものであることをお断りしておきます。
>
> ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
>
> (私)あなたは福島県で事故直後から「年100ミリシーベルト以下なら大
> 丈夫」と繰り返してきた。
>
> (山下)「大丈夫」とは言っていない。「わからない」「証明されていない」
> と言っている。
>
> (私)それは最近になってからで、初期には「大丈夫」と言って県内を回っ
> ていた。「大丈夫」と「わからない」は全く違う。初期に言って回った内容
> が県民に浸透してしまっている。そのため、自主避難しようとする人が家
> 族、親族、職場などで孤立することになっている。あなたの言動が明らか
> に自主避難を妨害する役割を果たしていることに気づいていないのか。
>
> (山下)うーん。そうでしょうか‥‥。
>
> (私)既に3ヶ月が経った。初期に言っていたことを変えているのなら、
> 公式に初期の説明を撤回すべきだ。
>
> (私)「低線量被ばくに敷居値はない」というのが国際的コンセンサスに
> なっているのではないか。
>
> (山下)私もそう考えている。
>
> (私)言っていたことと矛盾している。あなたは「CRIIRAD」(クリイラッド:
> フランスの民間放射能監視団体)を知っているか。
>
> (山下)知らない。
>
> (私)CRIIRADを設立した一人である欧州議会議員が来日したが、「フラ
> ンスの退避基準は年10ミリシーベルトであり、子どもにはそれでも高い
> のですぐに避難させるべき」と話していた。
>
> <ここで、深尾典男教授が横から介入。山下教授は移動>
>
> (深尾)山下が福島に入って以降の10日間ほどは、非常に混乱していて、
> 地域の医療崩壊が起こる懸念もあった。その中で危機管理上の判断に
> より「大丈夫」と言って安心させる必要があった。
>
> (私)その判断に賛同はしないが、少なくとも現在は3ヶ月が経ち、状況
> は変わっている。山下教授の初期の言動が一人歩きして、県民に浸透
> してしまい、自主避難する人の足かせになっている。山下教授はそのこ
> とに明らかに責任がある。
>
> (深尾)山下は「何ミリシーベルトなら退避すべき」と言う立場にはない。
> 退避には、移動することの困難や退避後の生活などいろいろなリスクも
> あり、総合的な判断が必要。それを決めるのは政治の役目だ。既に被
> ばくしてしまった人の測定や健康管理、汚泥処理などに関して知見を提
> 示していくのが山下の役割だ。
>
> (私)まずやるべきは、県民に伝わるように、公式に初期の言動を撤回・
> 訂正することだ。それができないなら、アドバイザーを辞任すべきだ。
>
> (深尾)その気持ちはわからなくはない。ご意見は山下に私からも伝える。
>
> <ここで再び山下教授に問いかけ>
>
> (私)NGOなどがアドバイザー解任を求める署名を始めているが、辞任
> される意思はないのか。
>
> (山下)(無言)。
>

村上春樹・カタルーニャ国際賞での受賞スピーチ

ファンからのキス。震災。地球の自転時間に影響を与えるほど。津波の大きさ。

桜、蛍、紅葉。ほんのわずかの時間にその美しさを失うはかなさ。日本人の精神性。自然災害からの影響かどうか。復興に関しては心配していない。倫理、規範の修復は容易ではない。原子力発電所のことだ。原発の周りではもう戻れない場所が出来てしまうかもしれないし、近隣諸国にも影響を与えてしまうかもしれない。原因は……これまでも津波はあったが、営利企業はそのために大金を投じてこれなかったからだ。政府も推進のため安全基準をゆるくしてきた。腹を立てない日本人も今回ばかりは腹を立てるだろう。一方、そうした歪んだ構造を赦し・黙認してきた自分たちをも糾弾しなくてはならないだろう。倫理や規範に関わるからだ。日本人は核爆弾を投下された国民である。20万人が被爆で亡くなり、その後、生き残った多くが、放射能被爆の症状に苦しみ乍ら時間をかけて亡くなった。核爆弾の破壊性と放射能が人間に深い傷を残すことをそうした人々の犠牲の上に学んだ。広島の原爆死没者慰霊碑にはこう書いてある。「安らかに眠って下さい。過ちは二度と繰り返しませんから」。私たちは被害者であると同時に加害者であることをそれは意味している。

核という圧倒的な力の脅威の前では、全員が犠牲者であり、力を引き出し防げなかったという点で全員が加害者である。福島原発事故は我々日本人が歴史上、体験する2度目の大きな核の被害である。しかし今回は爆弾を落とされたわけではなく、自分たちでお膳立てし、自らの手で過ちを犯し、自らの国土を汚し、自らの生活を破壊しているのだ。

日本人の核への拒否感はどこに行き、平和で豊かな社会は何によって損なわれて歪められたか。答えは簡単だ。効率である。原子炉は効率の良い、つまり利益のあがる発電システムである。日本政府は原油供給の安定性に疑問を持ち、原子力政策を推し進めて来た。電力会社は膨大な宣伝費でメディアを買収し、原子力発電は安全だという幻想を国民に植えつけて来た。今や日本の電気の30%が原子力発電により、地震が多い混み合った日本は世界で3番目に原子炉の多い国なっていた。まずは既成事実が作られ、危惧を抱くと「夏にエアコンを使わなくても良いのか」と言われ、「非現実的な夢想家」というレッテルを貼られる。

しかし、安全で効率的だったはずの原子炉は、今、地獄の蓋を開けたような惨状だ。推進者が言う「現実を見なさい」という現実とは、ただの表面的な「便宜」にすぎなかった。それを現実という言葉にすり替えて来た。それは技術力神話の崩壊でもあり、すり替えを赦してきた我々の倫理と規範の敗北でもある。

「安らかに眠って下さい。過ちは二度と繰り返しませんから」。この言葉を私たちはもう一度心に刻まなければならない。

オッペンハイマー博士は原爆の開発の中心的人物だが、それが広島・長崎に与えた惨状を知り、トルーマン大統領に「私の両手は血にまみれています」と言った。トルーマンは綺麗に折り畳まれた白いハンカチを出し「これで拭き給え」と答えた。しかし、それだけの血を拭える清潔なハンカチはこの世界のどこを探してもない。

日本人は核にNOを叫び続けるべきだった。それが僕の個人的な意見だ。私たちは技術力を総動員し、叡智を結集し、社会資本をつぎ込み、原子力発電に代わる有効なエネルギー開発を国家レベルで追求すべきだった。それは広島・長崎で亡くなった多くの犠牲者に対する私たちの集合的責任の取りかたとなったはずだ。我々日本人が世界に真に貢献できる大きな機会となったはずだ。しかし急速な経済発展の途上で、効率という安易な基準に流され、その大事な道筋を私たちは見失ってしまった。

壊れた道路や建物を再建するのは、専門の技術者の仕事だが、損なわれた倫理や規範の再生を試みる時、それは私たち全員の仕事になる。それは素朴で黙々とした忍耐力が必要な作業になるはずだ。晴れた春の朝、一つの村の人々が揃って畑に出て、土地を耕し、種を蒔くようにみんなが力を合わせてその作業をしなければならない。

その大がかりな集合作業には、言葉を専門とする我々職業的作家たちが進んで関われる部分があるはずだ。我々は新しい倫理や規範と新しい言葉を連結させねばならない。そして新しい活き活きとした物語をめばえさせ立ち上げなければならない。
それは私たち全員が共有できる物語であるはずだ。畑の種蒔きのように、人を励ます律動を持つものであるはずだ。


最初に述べたように、我々は無常という移ろいゆく儚い世界に生きている。大きな自然の力の前では人は無力だ。そのような儚さの認識は、日本文化の基本的イデアの1つになっている。しかし、そのような危機に満ちた脆い世界にありながら、それでもなお活き活きと生き続けることへの静かな決意、そういった前向きの精神性も我々には具わっているはずだ。

僕の作品がカタルーニャの人々に評価され、賞をもらえたことは、僕に取って大きな誇りだ。住んでいる場所も話す言葉も、よって立つ文化も異なる。しかし我々は同じ問題を背負い、同じ喜びや悲しみを抱く、同じ世界市民同士でもある。だからこそ日本人の作家が書いた物語が何冊もカタルーニャ語に翻訳され、手に取られている。僕はそのように同じ1つの物語を皆さんと分かち合えることを嬉しく思う。夢を見ることは小説家の仕事だが、小説家にとってより大切なのは人々とその夢を分かち合うことだ。そのような分かち合いの感覚なしに、小説家であることはできない。

カタルーニャの人々がこれまでの歴史の中で、多くの苦難を乗り越え、ある時期には苛酷な目に遇い乍らも、力強く生き続け、独自の言語と文化を守ってきたことを僕は知っている。私たちの間には、分かち合えることが数多くあるはずだ。日本で、このカタルーニャで、私たちが等しく「非現実的な夢想家」となることができたら、そしてこの世界に共通した新しい価値観を打ち立てていくことができたら素晴らしいと思う。それこそが近年、様々な深刻な災害や、悲惨きわまりないテロルを通過してきた我々の、ヒューマニテイの再生への出発点になるのではないかと、僕は考える。私たちは夢を見ることを恐れてはならない。理想を抱くことを恐れてはならない。そして我々の足取りを、「便宜」や「効率」という名前を持つ最悪のの犬たちに追いつかせてはならない。私たちは力強い足取りで前に進んでいく「非現実的な夢想家」になるのだ。

最後になるが、今回の賞金は全額、地震の被害と原子力発電所事故の被害に遇った人々に義援金として寄付したい。こうした機会を与えてくれたカタルーニャの人に感謝したい。そして、ロルカ地震で犠牲になった人々に、1人の日本人として哀悼の意を評したい。Moltes gràcies! (どうもありがとう)

死ぬ=生きるの間にある悲劇

私は、3月12日以降、ことさら「ぶらぶら病」に関して広報して来ました。youtubeに動画を作ってアップロードしたり、理解のある友人に言ったりという程度で細々としたものですが。

けれど、どうしても伝わらない。

先日、友人に言われました。「ぶらぶら病なんて、みんな知ってますよ。知ってても避難できないんです。仕方ないんです」と。

友人の言ったことの大意は判るのですが、やっぱり「知らないんだ」と絶望するしかありませんでした。

つまり、現在、多くの人が、「どうせ死ぬ」とか、「死にたくないから」とか、死=生という両極端でしか考えられていないのですが、この点をもっと深く掘り下げても良いのではないかと思います。これでは反原発も進みにくいですし、不幸にして障害が出てしまった方への理解もできないでしょう。

どういうことでしょうか?

これは中々、上手く書けないのですが、私の言ってることを理解するため、どうか想像力をもって考えて見て下さい。

例えば、「死産(実際には奇形児出産)」を1回するだけで、人の人生はめちゃくちゃになったり、家庭が崩壊してしまったりします。ハンフォードの放射能汚染地域の動画では、奇形児を産んで自殺してしまった奥さんと、もうそこにはいらずに引っ越した家族のことが語られています。それだけではないでしょうが産んだ子供が放射能のせいで奇形だった、ということの苦しみは、女の人だったら気を失いそうになるくらい大変だと言うことが判るでしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=IWYENXGN2eY

例えば、小出裕章さんも3人のお子さんがいて、そのうちの1人を小さい時に亡くしてしまったらしいですね。こういう体験を話す時、みな、同じ顔をします。あの沁みついた暗い表情の向こう側にある、その人の痛みと長い長い時間。こうしたことを想像できるかどうかが、今後の日本では必要になるのではないかと、私は思います。

普通のガンなら、手術して5年間くらい警戒すれば良い。つまり5年くらいで病気を克服し、乗り切ることができます。

放射能健康被害は、いつ身体のあちこちにガンが出たり、または、ガンの手術後も風邪が治りにくい、すぐに疲れるなど、症状がずっと続く場合も多く、また、ぶらぶら病になってしまうと、起きあがることもできない。

そんな家族が1人いたら、その家庭はどうなってしまうか。それは、家族、全員の問題となり、それまで計画していた人生設計をリセットしてやり直す必要が出てくるでしょう。

そうなったのが、家族を経済的に支える父親だったら? 家庭を内側から守る母親だったら? それとも、未来を背負っていく子供だったら? 誰がそうなっても、その家庭に取っての大問題です。

独身の人でも、結局は生きている限り、周りの人に頼り、迷惑をかけながらでないと生きていけなくなるわけです。

どうやって明るく生きていこうとしても、放射能による障害は、その人や周りに暗くつきまとい、沁みついたような暗さを刻みつけるでしょう。

不謹慎な言い方をすれば、独身の人で、放射能ですっぱり死んだなら、そっちの方がまだ倖福なのかも知れないと思いたくなるような、そんな苦しい生涯を、原爆症の人々は過ごして来たようです。

過去に起こったことと同じことが大規模に起ころうとしています。現時点でいくつか言えることがあります。

そのうちの1つですが、「もしそうなったら、家族のためにお金も時間も割ける。でも、そうなることを避けるために、お金や時間をかけて、住居と仕事を変えて引っ越す(避難する)ことは、殆どの人ができない」ということです。

お金も時間もかけられない、というけれど、それは「事前にはできない」が、「事後にはできる=やるしかない」のです。

もちろん、残るのも1つの選択です。しかし、残る人たちが、原爆症の方々の不幸を知り、自分たちの身にどのようなリスクがあるのか知った上で残ることを厳密に選択するのなら良いのですが、現在、とてもそのようには見えないのです。

死ぬことと生きることの間にある悲劇をみなが知ること。知った上でどうするかの判断はそれぞれだと思いますが、多くの人が知るようになってほしい。

中々、伝わる書き方ができません。以前の記事でも書きましたが、どうも肝心な点が書けていないような気がしています。 引き続き考えてみます。

●関連記事・放射能=「どうせガンで死ぬだけじゃん」の誤り
http://d.hatena.ne.jp/genpatsu_mov/20110514

ネットワークで作る放射能汚染地図 福島原発事故から2か月

5/28 (土) 再々放送決定! -NHK教育午後3時から

ネットでも見られます。削除されても、すぐにアップロードされるでしょう。

私はOAで見ました。日本の現実は、この番組の何歩も先、実際に数多くの人の健康被害を引き起こす領域に入ってしまっていることが確定したように感じます。できれば私の気のせいであって欲しいのですが、残念なことに、広島・長崎を初め、数多くの低線量放射線汚染地域の歴史が証明しているからです。

今こそ放射線被害の警鐘を鳴らす時なので、個人的には、番組のどこかでそういった点に突っ込んで触れることを望み、ゆえにこのブログでは取り上げませんでした。

しかし、世間のインパクトを見るとNHKは間違っていない。やはり見るべき番組です(※註1)。
恐らく、NHKでも放映できるギリギリのラインだったでしょう。

後半、20mSv/y問題もじっくり取り上げられています。


ネットワ―クで作る放射能汚染地図
01 http://www.youtube.com/watch?v=BUltgqsTTGg
02 http://www.youtube.com/watch?v=J7dfoqCj5BA
03 http://www.youtube.com/watch?v=6H30i_jI_Ys
04 http://www.youtube.com/watch?v=bUA6BueVBR8
05 http://www.youtube.com/watch?v=lX-in2-KisA
06 http://www.youtube.com/watch?v=XPXprWgh5Wk
07 http://www.youtube.com/watch?v=stDYKdPUqtY

↓これは良くやった!
放送された汚染地図に、2ちゃんねる有志が地名を入れたもの
http://long.2chan.tv/jlab-long/s/long1305648018755.jpg


この番組を見て、東京・神奈川・埼玉などで子供を育てることの危険を察知し引っ越した親は明晰です。放射線による健康被害は、多く晩発性が特徴です。目の前で悲劇が起こる前に逃げないと、本来の意味では間に合いません。避難可能な人は一握りだと思います。しかし、もしそれが可能で、迷っているならともかくいったん、逃げて下さい。もしいま子供が病気にかかったら治療費は捻出できるはずです。でも予見に関してだとそこまでのお金や時間を人は使えない。

ですが、良く考えて下さい。放射能汚染は現在進行形で拡がっていますし、人類のこれまでの経験から(※註2)、今年の秋〜来年の初めくらいに徐々に東北や関東圏で、(放射線に対して敏感な)赤ちゃんや老人といった、最初の被害者が明らかに判る形で出始めることが予想されます(別の病名にされたり、ストレスが原因と報じられたりなど、不正確な報道は続くと思われますが、きちんと勉強すれば、放射能による健康被害だと見極められます)。

10年後には大きなピークが来るでしょう。それを今年の年末から年始くらいの最初の小さいピークにじっくりと見極めて下さい。

私には訴えたいことが山ほどあります。まだまだ書き足りていませんが、下記も併せてお読みいただければ幸いです。

放射能=「どうせガンで死ぬだけじゃん」の誤り
http://d.hatena.ne.jp/genpatsu_mov/20110514

放射線による被害は晩発性、ということは、今回の事故の被害は、60年、80年に及ぶということです。「日本は長い長い時代に入りました(@高橋健太郎)」。


※註1・
だいたい、私がテレビをほぼ全く見なくなってしまったので、この番組の価値に気付いていませんでした。これを取材して番組を作ったスタッフ、プロデューサーの気概は、震災前と同じような状態になってしまっているテレビ番組を点けてみて、ようやく気づきました。

※註2・
例えば、ですが、いま、ソースが見つかりませんが、チェルノブイリ事故の年、遠く離れたアメリカで乳幼児、免疫力の落ちた老人、エイズ患者のピークがあります。
また、チェルノブイリ事故の10年後に、日本で東北を中心に全国レベルでの乳ガン死亡のピークがあります。内部被曝とはを参照 http://d.hatena.ne.jp/genpatsu_mov/22001229
遠く離れた日本やアメリカではチェルノブイリ事故の影響は、極く極く微量の被曝に過ぎません。それなのにはっきり統計に動かしがたい数字として死亡が確認できるのです。
放射線健康被害は死亡に至らない、苦しい生涯が続くようなケースも多数実例があります。どうかそうした情報を良く見て、子供の親は子供の将来を真剣に検討して下さい。

松沢呉一の黒子の部屋
http://www.pot.co.jp/matsukuro/20110518_211804493923933.html
私と同様の視点を持ちながら、ドキュメンタリー番組として高く高く評価されています。チェルノブイリの悲劇から想像できることが起こっていますが、やはり現在進行形の日本で起こるインパクトは強いですね。